投げる投手が少ない変化球・・・「パーム」のご提案【変化球講座】
スポンサーリンク
こんにちは。しんです。
野球中継でもほとんど見かけない変化球・・・パーム。
少し前までは、帆足和幸投手(元西部)、浅尾拓也投手(元中日)、大野豊投手(元広島)など若干ですが、数名投げていた投手がいました。
しかし、私が現在現役のプロ野球の投手でパームを投げている投手として思いつくのは、日ハムの鍵谷投手ぐらいしかいないような気がします。
それほどまでに見かけなくなった、ある意味レアな?絶滅危惧種的な?変化球「パーム」について今回は書きたいと思います。
目次
パームとは
球筋
パームの主な特徴は以下の3点です。
- リリースの際に手のひらで転がすように投げるので、バッターから見た場合、リリース直後にボールがカーブ系の変化球のように少し浮き上がったように見える。
- 回転数が少なく、フォークのように縦に落ちる変化(人やリリースの仕方でスライド系やシュート系の要素が加わることがある)をする。
- チェンジアップのように 球速が遅い部類の変化球になる。
握り方
親指と薬指(もしくは小指)でボールの両側を支え、手のひらでつかむように握ります。
人差し指と中指は(薬指でボールを支えない場合は薬指も)立てて、ボールに触れないようにします。
投げ方
リリースの時にスナップしてはいけません。
手首は指先から肘が一直線になるところで完全に固定し、手のひらから立てた指先までボールを転がすように腕を振ります。
メリット
一般的なパームのメリットとして
- 球速が遅い変化球なので、緩急をつけられる。
- ストレートと組み合わせて高低の変化が使える。
の2点が挙げられますが、さらに深くパームのメリットを掘り下げていこうと思います。
遅い変化球の中で、コントロールがつけやすい
スローカーブやチェンジアップなどの遅い変化球を投げる際に1番大切なのが、ストレートと全く同じフォームで投げることです。球速を抑えるためにフォームや腕の振りが緩くなってしまっては、バッターから狙い撃ちされてしまいます。
球速の遅い変化球をストレートと同じように投げるための工夫として、変化球の握りを工夫する方法があるのですが、主な内容は以下の2点です。
- 抜きやすいように力を全く入れず、不安定な状態で握る。
- 握りを深くする。
上記で挙げた1番の例として、「ボールの片側だけを握る」「チェンジアップを握りの1つであるOKの形(親指と人差し指をくっつけて、手でOKのサインをつくる)で握る」などが挙げられます。
この方法のデメリットはコントロールが難しいという点です。力を使わなくてもボールを投げれるように握っているため、少しでも動きに誤差があったり、タイミングや力配分を間違えると、ボールがとんでもない方向に行ってしまいます。
しかし、パームは手のひらでわしづかみするような感覚で握ります。
そのため、握ったときのボールの安定感がとても高いので、他の遅い変化球と比べてコントロールがつけやすくなります。
はさめなくても縦の変化が投げれる
フォークのようにはさんで投げる変化球は指が長くないと投げれません。
特に軟式球の場合、ボールが柔らかいのではさむと握力で変形します。変形したボールは元の形に戻ろうと反発するので、指から離れにくくなって余計に投げにくくなります。
しかし、パームを投げるには指の長さは関係ありません。誰でも投げることが出来ます。
投げる人が少ない
パームを投げる人自体少ないので、バッターから見ると、
「不思議な球が来た!」
と感じます。
相手打線に対して印象付けることが出来ると、それを利用して配球を考えることが出来るので、有利な立場で試合を進めることが出来ます。
デメリット
球種がバレやすい
投球モーションの際に立てている指が見えやすいので、他の変化球と比べて球種がバレやすいです。
また、変化するタイミングが早いので、軌道で球種がバレる場合もあります。
まとめ
パームは球種がバレやすいというデメリットがあるので、特にストレートと同じフォームで投げる必要があります。
毎日試合をするプロ野球では、球種がバレやすいというデメリットは大きくてあまり投げられないのかもしれません。
しかし、メリットもあります。
私は左バッター対策で縦の変化球が欲しかったのですが、指が短くてはさめないのでフォークは無理。チェンジアップも右バッターの背中の方へ抜けてしまう。
そこでたどり着いたのがパームでした。
私と同じように「縦の変化球が欲しい」「左打者対策に(左投手なら右打者対策に)」という方以外にも「遅い変化球で緩急を付けたい」「新変化球に挑戦したい」など変化球や投球術、配球でお悩みの方は1度チャレンジしてみて下さい。
↓ ブログ村ランキング参加中